メディカルアフェアーズ(MA)で成果を出すには?医師が知っておくべき評価ポイントとキャリア戦略

製薬企業ライフ

はじめまして、20年以上の内科診療経験を持つ医師 ミニパパです。急性期医療、海外留学、基礎研究と幅広い経験を積んできました。

アカデミアでのキャリアに限界を感じ、製薬企業のメディカルアフェアーズに新たな可能性を見出しました。約6年間で複数の大手外資製薬企業を経験し、医師時代と比較して収入が1200万円ほどアップしました。くわえてキャリアとしても出世して部門長を務めるようになりました。

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製薬企業への就職に関心のある医師の皆さん、MA部門で働くことに興味をお持ちでしょうか? 開発やファーマコビジランスといった部署とは異なり、MAは企業や担当薬剤によって求められる成果が異なり、そのバリューを発揮するのが難しいと感じている方もいるかもしれません。特に社外から挑戦する場合、入社後の具体的な活動や評価基準が分かりづらく、不安に感じることもあるでしょう。そこで今回は、MA部門で成果を出すために知っておくべき評価ポイントとキャリア戦略について、詳しく解説していきます。

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MA部門のアウトプット分類:3つの主要な活動

MA部門の活動は、アウトプットの観点から大きく3つに分類できます。

  1. 顧客とのコミュニケーション
    • 主な担当者: メディカルサイエンスリエゾン(MSL)
    • 活動内容: 個別面談、アドバイザリーボードミーティングなど、医師との1対1または少数でのコミュニケーション
    • 目的: 担当疾患や薬剤に関する医学的・科学的な情報提供、医師からのフィードバック収集、アンメットニーズの把握
  2. イベント
    • 活動内容: 製薬企業主催のウェビナー、学会でのランチョンセミナーなど、医師に対する1対複数のコミュニケーション
    • 目的: 担当疾患や薬剤に関する最新情報の共有、疾患啓発
  3. エビデンスジェネレーション
    • 活動内容: 研究を行い、論文を作成する
    • 目的: 担当疾患や薬剤の科学的根拠の強化

これらの活動は、組織が想定してるサイエンティフィックメッセージを中心に、HCP(医療従事者)とのコミュニケーションを図ることを目的としています。

企業・薬剤による活動数の違い:コストと戦略

MA部門でこれらの活動をどれだけ行うかは、企業や担当薬剤によって異なります。これは、各活動にかかるコストや戦略が異なるためです。

  • フィールド活動(顧客とのコミュニケーション): 比較的コストが低い
  • イベント、論文作成: 非常にコスト(お金、時間など)がかかる

新しくMA部門に入る場合、入社後の活動がどのようなものに重点が置かれるのか分かりづらいかもしれません。しかし、コストのかかるイベントや論文作成の年間実行数を聞くことで、その企業がMA活動にどれだけ投資しているかを推測することができます。

社外から見える活動 vs 社内評価:市場価値への影響

客観的に評価しやすいのは、社外から見える活動、つまり論文作成数やイベント開催実績です。これらの実績は他の会社から見ても分かりやすく、市場価値として評価されやすくなります。一方、MSL活動のようなフィールド活動は、社内での評価に繋がりやすいものの、客観的なバリューを証明するのが難しい側面があります。長くMAとして活動し、社内評価を得ても、論文やイベントなどの実績がなければ、他社から見るとその人の価値が分かりづらく、市場価値の上昇に繋がりにくいということも起こりえます。

転職を検討する際の具体的な質問:HRとのコミュニケーション

MAとしてのキャリアを検討している方は、HRとのコミュニケーションにおいて、以下の点を尋ねてみましょう。

  • 担当するポジションの疾患領域における年間イベント数
  • 担当するポジションの疾患領域における年間論文数

これは、研究室の生産性を推測するために年間の論文数を確認するのと同様のアプローチです。 これらの情報を基に、入社後の活動内容を具体的にイメージし、自身のキャリアプランに合致するかどうかを判断することが大切です。

活動内容を推測するヒント:費用対効果を意識した、企業のMAに対する考え方を理解する

面接や採用活動を通して、企業がMA活動に何を求めているのかを理解しましょう。 費用対効果を重視するのか、それとも長期的な関係構築やエビデンス創出を重視するのかによって、MA部門の活動内容や評価基準も大きく異なります。

まとめ:MAでの活動内容を理解し、戦略的にキャリアを築くことの重要性

MA部門でのキャリアを成功させるためには、活動内容や評価ポイントを理解し、戦略的にキャリアを築くことが不可欠です。 社内評価だけでなく、市場価値も意識しながら、自身のスキルアップやキャリアプランニングに取り組んでいきましょう。製薬企業への転職を考えている医師の皆さんにとって、本記事がMA部門での成功をイメージするための助けとなれば幸いです。

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