これまでの記事では、製薬企業で働くことのポジティブな側面、例えば生活の質や年収の向上についてお伝えしてきました。しかし、どんな仕事にも良い面と悪い面があるように、製薬企業での勤務にもネガティブな側面は存在します。今回は、私自身の経験をもとに、そのリアルな一面を共有したいと思います。
1. 多様なバックグラウンドを持つ人々との協働
製薬企業では、アカデミア時代とは異なる多様なバックグラウンドを持つ人々と働くことになります。医師として働いていた頃は、高学歴で共通の医学知識を持つ同僚が多く、患者さんのために尽力するという価値観が共有されていました。しかし、製薬企業では必ずしもそうではありません。例えば、「患者さんのために」という視点よりも「利益を追求する」ことを重視する人もいます。また、医学知識がほとんどない同僚とチームを組むこともあります。このような環境でプロジェクトを進めるには、異なる価値観やスキルセットに適応しながら協力する必要があり、アカデミア時代には経験しなかったストレスを感じることもあります。さらに、医療業界では医師がヒエラルキーのトップに立つことが一般的ですが、製薬企業では医師はあくまで「役割の一つ」に過ぎません。リーダーになるとは限らず、自分が指示を受ける立場になることも珍しくありません。このような変化に戸惑う医師も多いようです。
2. 成果主義によるプレッシャー
製薬企業では成果主義が採用されているため、自分のパフォーマンス次第で年収が大きく変動します。優れた成果を上げれば短期間で年収が大幅に上がる可能性がありますが、その逆もまた然りです。個人や会社全体の業績次第では契約が更新されないリスクもあります。アカデミア時代はどれだけ優れた手術や研究成果を上げても、それが給与に直接反映されることはありませんでした。一方で製薬企業では、数字や結果が非常に重要視されるため、そのプレッシャーにストレスを感じる人も少なくありません。
3. 業務時間外の働き方への変化
製薬企業で働く中でポジティブな変化として挙げられるのは、「業務時間外は完全フリー」というルールです。アカデミア時代には夜間や週末でもメール対応や上司からの連絡への即時対応が求められることが多く、常に仕事から離れられない状況でした。しかし、製薬企業では業務時間外や週末にメールを送信すること自体が禁止されています。そのため、夕方以降や週末は完全にプライベートな時間として過ごすことができます。
まとめ:製薬企業勤務は一長一短
製薬企業で働くことには、多様なバックグラウンドとの協働や成果主義によるプレッシャーなど、新しい挑戦とストレスがあります。一方で、業務時間外に仕事から解放されるなど、ワークライフバランスが向上する側面もあります。

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